少し懐かしい話になりますが、昨年の夏のサウンドインスタレーションのアーカイブ動画を載せておきます。
ここ数年は夏にサウンドインスタレーションといって美術作品とのコラボレーションで音の聞こえる空間作品を作ってきましたが、
近年で最も大きな規模での展示になったearth scapeという作品です。
コラボレーションアーティストの佐藤香さんのサイトへのリンクです(こちらで動画を見ることが出来ます)
https://kaori9655.wixsite.com/painter/blank-2?wix-vod-video-id=556fefb14d3e42f0be22c957a1234027&wix-vod-comp-id=comp-jm8y2dl9#
実際に会場で見てくれた人たちからも色んな感想やリアクションを貰いましたが、中でも子供達が見に来てくれたときに「絵の中から音が聞こえるよー!」と驚いていたのが印象的で眼の前のモノや事に感じたそのままを発する事が出来る感受性に、逆にこちらが身を正す思いでした。
こういった方向のサウンドデザインは映像音楽とは若干制作方法が異なりアーティスト(佐藤さん)の意見や表現したいことにフォーカスして作り上げていくわけなんですが、見る人の中には「意味が分からん!」という人も実際いて(笑)かえって『意味を探す事の意味』や「意味がないといけないのだろうか・・」という疑問などが作ってるこっちにも沸き起こってくるので一年に一度、思索に耽る面白い実験の場ともなっています。
佐藤さんとレジデンスで色々と相談したり共同で制作する中で自分の中にも着想が沸き起こってきて、すごく楽しく制作に携わることができました。
僕にとってはこういう音のコラージュも旋律のあるピアノ作品も『音を扱う仕事』をする上では【ほとんど同じ感覚】で作っていますが、アンビエントとメロディーというのはやはり伝えようとしている情報のベクトルが一聴した瞬間に全然違うので(そう聞くように人の方が教育されてきている)
「ああこれは音楽だ」
「何かの音が聴こえる」
とかそういうマーケティングをしながらも作ることが出来てしまうんだけど、サウンドインスタレーションを作る時はその空間の塊すべてが一つの作品であり結果だという認識で作っているので、その場その場で何かを感じ、それをそのまま表現しようとして僕も手を動かしていたように思います。
試行錯誤はとても多かったけどこうして映像で確認すると自分の音も佐藤さんの作品が溶け合って一つの面白い作品になっているな、と改めて思いました。
本当に才能のあるアーティストとのコラボレーションで僕自身も得るものが本当に多かったです。
会場でご覧になれなかった方もぜひ佐藤さんのサイトで映像をチェックしてみてください。
film by Yoshimasa Ono | studio CINQ