喜多方で数ヶ月に及んだ福島県立喜多方桐桜高等学校エリアマネジメント科のプロジェクト講師で作曲した映像が喜多方市の公式ページにアップされました。http://www.city.kitakata.fukushima.jp/soshiki/toshiseibi/28013.html
高校生と映像講師の森田さんのアドバイスで作られた映像に僕がそれぞれ音楽をつけています(五班のみアドバイスオンリー)。
授業の中でオーダーシート形式で各チームからの希望を聞いて、編集がほぼ終了した段階で僕がその映像を貰い、それを観ながら自分の中でイメージを膨らませて作曲していきました。
一班はオープニングと本編で音楽を別にしてます。
どのチームも基本はピアノオンリーでそこにコンピューターで弦を重ねたりパーカッションを加えて完成させてます。
個人的に面白かったのがこちらの二班の映像。
漆、漆器を題材に据えた作品なので音楽の方も漆のルーツを表現したいと思い、中国の古典楽器を加えてます。映像による日本的な光景と和の音階に中国の古典楽器が合わさり不思議な奥行きとテイストのある映像音楽になってます。
三班はクラシック方向で、というオーダーだったので映像を観ながらインプロビゼーション的に手を動かしてフリーテンポなピアノのオーソドックスな進行にストリングスのフレーズを重ねています。
四班はVlog的な編集のコンセプトで制作を進めていたので音楽も少しお洒落な雰囲気を生徒たちがイメージしていたので、オープニングとエンディングは別に作り映像の構成美をより意識した作曲の方向です。
五班は僕が直接関わってはいませんが、授業内のイベントで古民家と教室を繋いだ催しがあり、その中で僕が過去に関わっていた音楽制作会社がサンプリングされた地域の音だけで音楽を構成するという作品をリリースしていた話をさせてもらい、それにインスパイアされた形で同じ手法を高校生自らが取っている挑戦的な内容になっています。
あくまでもこの授業は高校生が自分の住んでいる地域を知ること、そしてその場所を今後マネジメントしていける新しい人材を育成する、というのが主たる目的なので音楽の授業のように音楽的な理論や技法を深く追求するのは授業内容の範囲を超えてしまいますが、その中でも映像で伝えようとしていることや表現していることをより際立たせる為の音楽、という生徒たちの希望と情熱は強くありそれに背中を押された形で最後の作曲に向かうことが出来ました。
市のホームページではこの映像の発表会の様子などもアップされています。
僕は音楽というのは作品を完成させるまでの一期一会が結局はその全てだと感じていて時々そういう発言もしているのですが、今回ほどその事を強く感じる機会は無かったように思います。
今後生徒たちと作った作品がどんな形で残り伝わっていくのか、それも含めて個人的にも色んな学びがあった授業でした。
講師としての僕に信頼を寄せて、今回の機会を与えてくれたコーディネーターさんや先生たちを初め、今回の企画に携わってくれた喜多方の皆さん・・そしてもちろん一緒に作品を作り上げてくれた生徒たちに心からの感謝を伝えたいと思います。
映像は今後も様々な活用方法を検討中らしいので目にする機会があればぜひ、それぞれの個性ある作品とそこで表現されている喜多方の歴史や今の姿にも想いを馳せて観てみてください。
喜多方の皆さん、今回は本当にありがとうございました。